株式投資

賃貸等不動産の時価を考慮した資産バリュー銘柄の発掘


資産バリュー投資の考え

こんにちは、さるべえです。
投資手法の一つとして、資産バリュー投資と呼ばれる手法があります。
会社の保有している資産に比べて株価(というか時価総額)が割安な銘柄に投資し、そのギャップが是正される=株価が上がる、のを狙うものです。

ただ、そこで問題なのは会社の資産をどう評価すれば良いか、という点です。

簡単に、総資産から負債を引いた純資産を時価総額と比較する指標として PBR (= 時価総額/純資産)があります。
PER と並んで最もメジャーな指標の一つと言って良いでしょう。単に PBR が低い銘柄を見つけるだけなら楽です。証券会社等で提供されるスクリーニングツールでも、簡単に PBR の観点での割安銘柄を探すことができます。
しかしながら、ここには純資産をそのままその価値があるとみて良いのか、という疑問があります。例えば、ある製品を生産するのに特化した設備が資産として載っていたとして、それを売る場合にその計上額で売れるのか、というようなことです。

そこで、換金性が高いものだけを資産としてカウントし直し、そこから負債を差し引いた上で「ネット資産」を算出し、時価総額と比較すればより良いのではないか、という考えがあります。
有名な個人投資家のかぶ1000さんについての以下の記事なども参考になります。
https://froggy.smbcnikko.co.jp/3156/
今回の調査も基本的にはこのような考えのもとに行いました。

賃貸等不動産

一方、資産バリュー投資家が注目するものの一つに、不動産の含み益があります。
貸借対照表上で計上される資産額に比べて保有不動産の実際の時価が高く、ギャップがある場合です。
一般的に時価の算定は難しいものですが、「賃貸等不動産関係」という項目が有価証券報告書にはあります。
ここでは丁寧にも、会社側が賃貸等不動産(部分を含む)の時価を算出してくれています。今回の記事で対象としているのは以下の赤丸で囲ったような部分を合わせた金額です。


(ヤマタネの第121期 有価証券報告書より)

その会社でしか使えないような生産設備などに比べれば汎用的であると考えられる賃貸等不動産について、時価が分かる、ということで、「ネット資産」にこの時価を加えることを今回試みました。
(時価については、実際に売却するようなケースでは含み益にあたる分は課税されるため、その分割り引いて考えるという人もいるようです)

この記事でやったこと

前置きが長くなりましたが、以上のような背景があり、賃貸等不動産の時価を考慮した割安株を探したい、と考えました。

従来、このような株を探したいと思っても一つ一つ見ていくのはとても手間がかかります。
まず、賃貸等不動産の時価が大きい銘柄かどうか、というのは基本的には有価証券報告書を確認しないといけません。大変です。。
さらに、賃貸等不動産の時価が大きかったとしても負債も多くて割安とは言えないかもしれません。
一つ一つ時間をかけて宝探しをするのも醍醐味かもしれませんが、個人的には労力は個別銘柄を深く分析するために使いたいところです。単にスクリーニング的に割安株を探して投資候補を探すのは自動化したい。

そのような動機もあり、少し前から EDINET の API をいじり始めました。
EDINET API からのデータの取得についても時間があれば本ブログの記事にしようかと思いますが、基本的な部分のプログラムコードは GitHub に既に公開しています。

sarubee/edinet-api-tools
EDINET API 活用のための Python ツール. Contribute to sarubee/edinet-api-tools development by creating an account on GitHub.

こちらも参考になれば幸いです(今回の記事の肝である賃貸等不動産の数値を引っ張ってくるには上記の公開しているコードに加えてもうちょっと頑張る必要があります)。

抽出された資産バリュー銘柄はこれだ!!(ベスト50)

長くなってきたのでこの辺りで結果を張っておきます。
念のため先に書いておくと、プログラムも完ぺきではないので抜け(わかってるのは銀行等は勘定項目が違うようで未対応だったり)や間違いはたくさんあるはずです・・。私が抽出を試みてみましたよという結果で、あくまで参考程度ということで。また、これらの銘柄への投資を推奨するものではありません。

ベスト50は以下!!
(金額単位は億円、株価は円)

以下では、各銘柄で時価総額を 1 とし、正規化して他の金額を表示し直したものです。こちらのほうが比較しやすいです。

株価は2020/6月の月間の終値で、東証から買った株価データを使用しているため東証のみです。また、EDINET API から有価証券報告書データを取得(2020/7/6 までの提出分)しました。表は、それらの数字をもとに筆者がまとめたものです。
バリュー度合いを表す総額を

(さるべえバリュー総額)= (現金及び預金) + (受取手形及び売掛金) + (投資有価証券) + (賃貸等不動産時価) – (負債)

として算出しています。
これを

(時価総額)= (株価) X { (発行済株式) – (自己株式) }

として計算した時価総額と比較します。

(さるべえバリュー値)= (さるべえバリュー総額) /(時価総額)

として、市場の評価に比べてどれくらい割安と考えられるのか、という値を出しています。
この値の順にベスト50を並べたのが上の表です。

栄えある一位に輝いたレナウンは、民事再生で上場廃止になった銘柄ですね(^ ^;)。負債も大きいです。これは除いて考えましょう。
実質的な一位はダイドーリミテッドとなりました(パチパチパチ・・・)

賃貸等不動産が多い企業が多いですが、精養軒、ジオマテック、エーワン精密、KG情報、辺りは多額の現金預金を保有していますし、ダントーホールディングス、昭栄薬品、辺りは多額の投資有価証券を保有しています。(・_・)フムフム、という感じですね~。
(47位の HPCシステムズは発行済み株式が違って変な結果になってそうです。すみません)

この中で個人的に現在保有している銘柄を挙げると、
(3位 サンリツ)
4位 宇野沢組鉄工所
5位 片倉工業
10位 ダイビル
16位 テーオーシー
27位 乾汽船
(40位 エーワン精密)
辺りです。() で書いたのは毎週本ブログで報告している公開ポートフォリオに含まれない銘柄になります。

まとめ

今回は賃貸等不動産の時価を考慮した資産バリュー銘柄の発掘を試みた結果をお伝えしました。
もちろん、この計算で割安だからといって株価が上がる保証などありませんが、このような感じで深堀りする銘柄の候補を探すこともできるかなと考えています。
ネット資産をどう計算するか、あたりはいろいろ議論があるところかもしれません。
こういう項目入れたほうが良いのでは、とか、とってきてる数字違ってない?、など、ご意見あったらコメントまたは Twitter で教えていただけると喜びます。
それではまた!

コメント

タイトルとURLをコピーしました