株式投資

銘柄分析: 6046 リンクバル (2019/8/4)

8月2日(金)引け後、6046 リンクバル の 2019年9月期第3四半期の決算発表、及び通期業績予想の発表がありました。

リンクバルは公開ポートフォリオの主力株ですし、今回の発表は今後のリンクバルのターニングポイントになりうると感じたため、少し詳細を分析してみようと思いました。
データ等はリンクバルの IR ページに載っているものから取ってきています(リンクバルの IR NEWS のページ)。

今回の発表の概要

第3四半期決算の内容としては以下で、売上は微増、利益はかなり増えていて一見良いように見えます。


2019年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)

ただし、以下のように今回の決算発表とともに売上がマイナス 18.7% もの下方修正がなされました(利益は据え置き)。


業績予想の修正に関するお知らせ(赤実線は付け足しました)

理由としては、自社イベントから他社イベントへの移行が理由と書かれています。
個人的にはこの移行は歓迎しています。利益率は高くなりますし、自分で開催するのではなく、プラットホームとしての価値を高めていく、という会社の意思があると感じています。
実際、説明資料を見ると急速な勢いで移行している様子が見て取れます。


2019年9月期 第3四半期決算補足説明資料

ただ、この自社イベントから他社イベントの移行は以前から進行していたことですし、20%近い売上の下方修正はさすがに大丈夫なの?と不安になります。
利益は十分出ているとはいえ、売上が伸びないと利益も頭打ちになりますしね。

実際、8月2日(金)の終値 813 円に対し夜間の PTS では 691-719円で取引されており、月曜の取引では大幅な下落となると考えられます(気が重い・・)。

しかしながら、上記に書いたように売上構造の移行があるため、客観的な状況を見る必要があると考え、少し今回の記事でデータを洗ってみることにしました。

他社/自社イベントの売上推移

さて、ひとまず私が気になったのは他社/自社イベントの売上推移がどうなっているのかです。
直近の説明資料では累計しか出ていないのですが、過去の IR 資料を元に、四半期ごとの他社・自社イベントの売上推移をプロットしました。

まず全体的な傾向としては、自社イベント売上推移は右下がり、他社イベント売上推移は右上がりとなっています。自社イベントから他社イベントへの売上構造の移行が急速に進行しているのが見て取れます。
(こんなにきれいに移行できるのは結構すごいのではないか、とちょっと思いました。会社としても大きな転換期にあるのではないでしょうか)

注目すべきは、これからの業績を左右していくと思われる他社イベントです。
上で他社イベントは右上がりと言いましたが、細かく見ると季節性が読み取れます。
これまで他社イベント売上は 2Q (1-3月)では一旦下がり、3Q, 4Q, 1Q で好調に伸ばす、という傾向でした。

ただ、今回は3Q にも関わらず、他社イベント売上が前四半期に比べて減少しています。
これは最近の傾向からすると例外的なことで注目すべきところなのは間違いなく、ネガティブサプライズである、と考えます。

イベント参加者数からの分析

次にキーとなりそうな指標としてイベント参加者数を見てみます。
売上だけでなく、イベント参加者数が順調に増えているのか、伸び悩みそうなのか、が気になったためです。
これも四半期ごとにプロットすると以下のようになります。

他社イベント売上の傾向と少し似ていて、2Q (1-3月)はいまいちですが、3Q, 4Q, 1Q で好調、という傾向が見て取れます。
ただし、前の 2Q の下げが通常より大きかったのと、今回の 3Q がいまひとつ、というのが気になる所です。

他社/自社イベント参加者数の内訳の推定 

さて、イベント参加者数を見てみましたが、その内訳も気になる所です。
というのは、前述したように自社から他社へ、という構造の急速な変化が進んでおりますが、全体のイベント参加者数推移からだけでは、自社イベントと他社イベント参加者数推移がそれぞれどうなっているのか、というのがわからないためです。

ただ、これは上で挙げたデータから推定できそうなことに気がつきました。
そこで Python を使って推定してみます!(なんか分析っぽいことがしたかっただけとも言える・・)

やっていることとしてはシンプルで、他社/自社イベント売上を説明変数、イベント参加者数を目的変数として
(イベント参加者数[人])= a * (他社イベント売上[万円]) + b * (自社イベント売上[万円])
の式で回帰分析をしています。
その結果、
a = 5.77238027
b = 1.70997885
と得られました。上に載せたスクリプトの最後にプロットを載せて当てはまり具合を確認していますが、まあ良いのではないでしょうか。

この式の意味するところは、
他社イベント売上を1万円得るためには約 5.8人の参加者が必要
自社イベント売上を1万円得るためには約 1.7人の参加者が必要
と推定される、ということです。

他社イベントは他社が運営するイベントの手数料?をリンクバルが徴収する感じかと思いますので、そのイメージにあっていますね。
他社イベントで同じ売上をあげるためには、3.4 (=5.8/1.7)倍程度の参加者が必要、と言うこともできます。

さて、ここで得られた回帰式を使って他社/自社イベント数を推定してプロットしたのが以下です。

結構前から参加者数自体は他社イベントのほうが多かったのではないか、ということが推定されます。
他社イベントの推定参加者数の推移はイベント総参加者数推移と似ているので、それ以外はあまり言えることはないかなと思います。

まとめ

これまでにまとめたデータをどう見るか、というところなんですがこれはなかなか難しく、人によって見方が分かれるかもしれませんね。
例年好調な 3Q で他社イベントの売上が、今期はいまいちだった、ということは事実です。
停滞の始まりかもしれませんし、なんらかの要因により一時的に不調だっただけかもしれません。

私の場合は、少なくとも 700 円くらいの水準ですぐに売却しようとは考えていません。
上記のグラフで示したように、利益率の高い他社イベント売上はこの 3Q より前は例年通りの推移だったと捉えていますし、利益率・キャッシュフローの良いビジネスだと考えているため、PER20倍近い水準の 700円で売り急ぐことはないかなあと。

長くなってしまいましたね。
言うまでもないですが投資判断は自己責任でお願いします(データのまとめにも間違いがあったりするかもしれませんよ)。
それではこのへんで。

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